実際に『三宅島ツーリストトロフィー』が開催されることになった場合、素人目に見てもいくつかの問題点が存在する。今回から何回かに分けて、その問題点について提起していこうと思う。
なお、問題提起ばかりでは前向きな話とは言えないので、後日、筆者なりに考えた対応策を述べる予定なのであらかじめご了承いただきたい。
往復の移動手段
舞台となる三宅島は、東京から南南西へ180キロメートルの位置にあることは前回も延べた通りだ。しかし、この距離と島であることが問題となると考えられる。
これも前回述べたように、現在のところ三宅島に行く手段は1日に1往復している船便に頼るしかない。当然、見学者も参加者も関係者も船で移動することになるが、船には乗れるスペースは限られている。現在、東京と三宅島を往復している「かめりあ丸」の場合、旅客定員は2,021名となっているので、これ以上の人間を運ぶことになった場合、別の船の運航を期待するか、ほかの手段を使うしか方法がない。
ちなみに、筆者が三宅島に向かった8月11日金曜日の便は、お盆の時期と重なったこともあってすべての座席は予約済み。座席なしの2等旅券で出発することになったが、この場合、通路や階段の踊り場、デッキなどで過ごすことになり、あまり身体を休めることができないのがツライところだ。
現在、三宅島への移動手段は船便に頼るしかないと書いたが、本当はもうひとつ手段がある。それは飛行機だ。
三宅島には三宅島空港が存在し、火山活動が活発化する以前は1日2往復、飛行機が離発着していた。しかし三宅島空港は、火山性ガスの影響下にある坪田高濃度地区にあるため、現在も封鎖中となっている。
2006年8月現在、『三宅島ツーリストトロフィー』の開催予定は2007年秋頃を予定しているとのことなので、それまでには三宅島〜羽田間の航空路の再開をしていただきたいと思う。
バイクの輸送手段
バイクのレースをやろうとしている場所に、バイクがなかったらお話にならない。当然、バイクを持っていかなくてはならないのだが、その輸送手段が問題だ。
三宅島へは道路がつながっていないので、人間と同じように船で輸送することになるのだが、東京〜三宅島間の航路を運行している東海汽船によると、バイクの輸送は250ccまでしか行っていないのが現状だ。
三宅島に出発する際、偶然にも輸送コンテナ内にバイクを積載しているシーンを目撃したが、それほど大きくないスペースに、原動機付自転車をロープで固定しているのがわかった。また、輸送コンテナとは言えそれほどスペースが空いているわけではなく、仮に600ccクラスのバイクを搭載した場合、積めても2台が限界ではなかろうかと推測する。
「コンテナ内に2台だけでも、コンテナを10個積載すれば20台運ぶことができるじゃないか」
などと考えたが、かめりあ丸自体にそれだけのコンテナを積載する能力があるとは考えられず、仮に積載することができたとしても、三宅島、御蔵島、八丈島への必要生活物資も同じように輸送しているので、レースのために3つの島の生活を犠牲にするわけにはいかないだろう。
バイクの輸送手段について述べてみたが、レースに必要なものはバイクだけではない。メンテナンス工具やスペアパーツなど、必要なものは限りない。必要最低限のものに絞ったとしても、参加チームが増えれば増えるほど、必要となるコンテナの数は増えていくということも考える必要があるだろう。
三宅島のレースに参加する必要経費
8月に、関東近郊で開催される草レースに参加することと同じようなものであると仮定して、三宅島のレースに参加する費用について簡単に計算してみた。
自分がライダーであり、そのほかにヘルパーがふたり。車両は250ccで、そして工具やケミカル類、スペアパーツなどは車両を動かすための必要最低限で、すべて収納ボックスに入る程度と仮定しよう。
まず人員についてだが、ヘルパーのふたりには申し訳ないが2等客室で我慢してもらったとして、ひとり8,230円。片道で自分も含めて合計2万4690円となり、往復では4万9380円となる。
続いてバイクが1台。こちらは片道で8,010円で、これ以上必要なものはないので、往復で1万6020円。
最後に工具やパーツなどの詰まった収納ボックスだが、三辺の和が120センチメートルをオーバーすることは確実なので、手荷物で持っていくということはできない。しかし、幸いなことに東京〜三宅島間に就航しているかめりあ丸は、受託手荷物ということで預けるだけで無料で持っていけるようなので、必要な経費はかからない。
これらをすべて計算してみると、
| 項目 | 費用 |
| 人員(往復) | 4万9380円 |
|---|---|
| バイク(往復) | 1万6020円 |
| 工具・ケミカル類 | 無料 |
| 合計(往復) | 6万5400円 |
案外少ないね、と感じる人も多いだろうが、プラス宿代や食事代などを考えると、ちょっとした金額になるのが容易に想像できるはずだ。
また、ピット設備などの整っていない、屋外でのレースとなるのは明らかなので、テントや椅子、テーブルなども持って行きたいと考える人もいるかもしれない。そういった大型の荷物については、別途東海汽船に問い合わせてみる必要があるかもしれないが、別料金となる可能性は否めないだろう。
次回予告
今回は、ざっくりと予測される問題点について延べてみた。しかし、問題点はまだまだ存在する。そこで、次回も予測される問題点について提起していきたいと思う。



