これまで、2回に渡って実際に『三宅島ツーリストトロフィー』が開催されることになった場合に考えられる問題点を提起してきた。今回は問題提起の最終回として、人が集まるところで必ず発生する問題点について述べてみたい。
もちろん、すべて素人目に考え、判断してのことなので、実際の問題点とはかけ離れている場合があるが、その点については何卒ご容赦いただきたい。
宿泊について
三宅島にあるホテル、民宿、旅館などは、全部で37箇所。収容人員数は1000人にも満たない(東京新聞より)。大挙してやってくる観客が、どこに泊まるのか。これこそが大きな問題と言えないだろうか。
かのマン島TTでは、広大な牧草地が広がり、何万人と訪れる観客たちは、開放された牧草地でキャンプをして、レースウィークを過ごすのだという。
三宅島にも都営の牧場があるので、そこでキャンプをしてもらう、というアイデアはある。が、しかし、この牧場というのが危険区域の中にあり、現在は閉鎖されているというのが現状だ。現段階では、このアイデアを捨て去るほかないだろう。
とはいえ、冒頭でも引用したように、三宅島にある宿泊施設をフルに活用しても、収容人員数は1000人にも満たないというのが実情だ。仮に、観客は入れ替わり・立ち替わりで宿泊施設を利用したとしても、オフィシャルの宿泊施設はどうするべきなのだろうか。
食事について
人が集まるところに、必ずついてまわる問題に食べ物が挙げられる。どんな状況であれ、食事は人間の正しい欲求であり、それが満たされない場合には様々な問題を引き起こすことになるのだ。
筆者が三宅島を訪れた際に合計5回の食事をしたが、そのうち3回は宿泊先のレストランで、残りの2回はそれぞれ別の食堂での食事だった。
宿泊先のレストランで食べた朝食×2回、夕食×1回については、「宿泊先だから」という理由で決まった食事で、残り2回の食事については、「たまたま近所にあったから」という理由で入った食堂である。それぞれの場所で食べた食事について、その値段やボリューム、メニューなどには、まったくの不満要素はなく、味に関しても10点満点中7点は与えられるくらいの美味しさであったことを述べると同時に、これらのことは一切の問題点がなかったことを述べておこう。
問題となるのは座席数である。実際に入ったふたつの食堂の店内は、見渡してみた限りではそれほど座席数も多くなく、15席から30席程度であった。そして豊富にあるとは言えない食堂の数だ。
もし仮に、三宅島ツーリストトロフィーに2000人の観客が来たとしよう。そしてこの観客が昼食時、いっせいに食事を求めた場合にどうなるかを考えた場合、非常に長い行列になることは想像に難しくない。
トイレについて
食べ物を食べれば、当然のことながら排泄することになる。きたない話かも知れないが、人間の生理現象であるので、無視することはできない話であることは、誰にでも理解してもらえると思う。
ただ、トイレに関しての問題は、食事のそれとはまったく異なる。
まず、三宅島は観光地であり、観光資源、自然を大切にするという観点からなのか、公衆トイレを各所に見ることができた。また排泄は、食事と違ってほぼ同じ時間帯に一斉に行われる、というものではないので、数が不足する可能性があるにしても、食事ほど大きな問題にはならないと考える。
問題となるのは、トイレの設備面だ。
残念ながらバリアフリー設計がなされているトイレというのは、非常に数が少なかった。
これはトイレに限らず、ほとんどすべての設備面でも言えることであるが、必ずスロープや手すりなどが設置されているわけではないので、バリアフリーの環境を必要とする人たちには、かなり苦労するであろうことは容易に想像することができた。
あと、私は女性ではないので、あまり強く述べることはできないが、女性向けのトイレもあまり快適なものとは言えないものだったらしい。
公衆トイレにロイヤルスイートを求める女性というのもいないだろうが、筆者に同行してくれた女性が言うには、バイクにあまり興味がなく、バイク好きな彼氏とのお泊り気分で一緒に三宅島を訪れた女性には、快適さを保障できるほどのモノではなかったらしいことを付け加えておく。
ゴミについて
宿泊、食事、排泄と問題点を提起してきたが、人が集まることで回避できない大きな問題はもうひとつある。それはゴミだ。ジュースを飲めば空き缶が、食事をすれば空き容器などが問題になるのである。
公衆トイレと同じように、三宅島では自然を大切にするという観点からなのか、各所にゴミ置き場を見つけることができた。もっとも、これは決して観光客に対してだけのものではなく、三宅島に住む人たちも使う、生活の一部分としてのゴミ置き場と見るほうが自然であろう。
そしてゴミ置き場は、缶類・ビン類・無価物・有害ゴミという4つの分け方がなされていた。
ゴミの分別としては最低限の分け方ではあるが、残念ながら筆者は、筆者も含めたすべての観光客がゴミの分別ができるとは思えない。
私自身、「無価物って何?」と考えたし、何が無価物(リサイクル不能で、かつ無害な燃えるもの)のゴミで、何が有害ゴミであるかを、とっさに判断することができないからだ。
ゴミの集積所だから、という理由だけで、ゴミを置いて終わるのではなかろうかと推測する。実際、大きなお祭りの後などは、ゴミの集積所というだけで、燃えるものと燃えないもの、缶やビンが雑多に捨てられている状況を私は何度も見たことがある。
私も何度か雑多に捨てたことがあるので、自己弁護するわけではないが、ゴミ置き場にゴミを置くだけなら、まだマシなほうかもしれない。
世の中には、たばこの吸殻を適当に放り捨てる人もいるし、紙くずやビニール袋などを、適当な場所に投げ捨てる人だっているのだ。
そんなのはどこでもそうだろう、という声もあるかも知れないが、少なくともバイクを愛している人間たちが集まり、楽しみ、帰った後で、三宅島に残ったのはゴミの山と自然破壊だけでした、というのは避けたい話である。
次回予告
これまで、三宅島ツーリストトロフィーに対して否定的とも取れる形で、問題点を3回に分けて提起してきた。
想像できた問題点についてすべてを述べてきたわけではないが、筆者なりの提起については今回で終了としたい。
しかし、このまま終わってしまっては前向きな話とは言えないので、次回からは筆者なりに考えた対応案を述べてみたいと思う。





