第5回:予測される問題点についての対応案(1)

 これまで、仮に『三宅島ツーリストトロフィー』が開催された場合に考えられる問題点について、3回に分けて述べてきた。
 ただ問題点を挙げたり、文句を言うのは非常に簡単だが、それだけでは前向きな話とは言えない。そこで今回からは、現実味に欠ける部分もあるが、筆者なりの対応案というものを述べていきたいと思う。

問題点の整理

三宅島

 『三宅島ツーリストトロフィー』が開催された場合の問題点を大きく分別すると、ふたつの問題に分けることができる。
 ひとつは、微弱ではあるものの、現在も活動を続けている火山活動とそれに起因する火山性ガスなどの問題。
 そしてもうひとつは、レースを開催することに伴う問題だ。
 また、レースを開催することに伴う問題点は、さらにふたつに分けることができる。
 オフィシャルやコースなどのレースそのものに関連する問題と、人が集まることでの問題のふたつがそれだ。

 本来であれば、それぞれの問題をさらに細分化し、より正確な対策や対応を考えていくべきかもしれない。しかし、論点がずれていく可能性もあるので、この程度の問題の分別でご容赦いただければと思う。


火山活動への対策…その1

 この点については、自然が相手の問題であるので、抜本的な対応策を提示することができない。
 ただ、問題点をそのまま放置するという意味ではなく、ある程度の対策を重ねていくことで、より安全に近づけることができるのではないかと考える。

警報設備

 三宅島島内には、各所に写真のような警報設備が設置されている。
 火山ガスの濃度に合わせて、低濃度を示す青色の回転灯から黄色、緑色、そして高濃度を示す赤色の回転灯まで、4段階に分けて警告されるようになっている。また、あわせて防災行政無線放送も放送されるので、万が一の場合でも、よほどのことがない限り気が付くことができるだろう。
 ただ、相手はバイクのレースである。街乗りのバイクとは違って、ある程度の騒音が予想される。
 また、さらに写真のような警報設備は、現地に住む人たちならともかく、観光客などには「どこにそれがあるのか」という部分がわかりづらい。これでは、せっかくの警報なども無駄になってしまうだろう。

 そこで提案のひとつだが、レース期間中だけミニFM局をオープンしてみてはいかがだろうか。
 ミニFM局では、現在のレースの状況を放送することはもちろん、スケジュールの案内や各種イベントの案内などを放送することはもちろんだが、さらに防災行政無線放送もあわせて放送してしまうのである。
 1時間、もしくは30分に1回程度、火山性ガスについての放送があれば、レース観戦者に対して、火山性ガスに対しての意識を高めることができるのではないだろうか。


火山活動への対策…その2

三宅島パンフレット

 ここから先は対策や対応というよりも、当然の事柄ではあるのだが、観戦者、参加者への啓蒙活動は必ず行うべきことだ。
 そのひとつとして、「警報設備の設置箇所」が描かれた地図を配布することは当然であるし、さらに「万が一の場合の避難場所」も書いてあるべきだ。
 しかし、これらを普通にチラシとして配布した場合、ゴミになることは必定だ。以前にも述べたように、バイクのレースを開催したあとに三宅島に残ったのは大量のゴミと自然破壊だけ、などと言われないためにも、ゴミの量は極限まで減らす必要がある。

 そこで提案するが、必要な火山情報をすべてパンフレットに記載した上で、パンフレットを入場券代わりに使ってみてはいかがだろうか。正確には、パンフレットを事前に購入した人は、東京〜三宅島間のフェリー料金を割引くなどのキャンペーンを行うのである。
 たとえば、パンフレットを1冊2100円としておき、フェリーのチケット購入時に必要なチケット枚数分のパンフレットを掲示した場合に限り、1枚あたり片道500円割引になれば、往復で1000円の割引となる。こうすると、ユーザーは実質的に1冊のパンフレットを1100円で購入することになるので、お得感が増すのではないだろうか。さらに主催者側としては、販売した冊数から観戦者数を計算することができるので、様々なデータ収集にも役立つのではないだろうか。

 また、さらにデポジット制を敷くこともあわせて提案したい。
 たとえば、レース終了後の三宅島から東京へ行くフェリー内で、担当係員などにパンフレットを返却すると、パンフレット1冊につき、100円返金するという仕組みを行うのだ。こうすることで、誰しもがパンフレットを持って帰ろうという意識になり、ゴミを減らすことができるのではないだろうか。
 もちろん、パンフレットを複数返却した人がいるなら、持ってきた冊数×100円を返金することができればゴミの減量にさらに役立つし、パンフレットをそのまま持っていたい人は返却しなければいいだけの話で、その場合にデポジットされなかった100円は、三宅島の復興基金などに充ててしまえばよいのではないだろうか。


次回予告

 今回述べた対応案は、少し突拍子もない部分も含まれているが、まだまだ実現可能なレベルの対応案だ。
 次回は、レースを開催することの問題点に対して、対応案を述べてみたいと思うが、簡単には実現できないようなレベルでの対応案となってしまうことをあらかじめ述べておきたい。

予測される問題点についての対応案(2)