第6回:予測される問題点についての対応案(2)

 前回に続いて、今回も『三宅島ツーリストトロフィー』が開催された場合に考えられる問題点についての対応案を述べていきたいと思う。
 ただし、ここで述べている意見はすべて、筆者なりの対応案であって、必ずしも的確であるとはいえないことをあらかじめ述べておく。

人が集まることでの問題点

阿古港

 以前挙げた問題点の中に「人が集まることでの問題」があることを述べた。
 これをわかりやすく整理すると
○三宅島までの移動手段
○現地での宿泊手段
○現地での食事
 という3つ分けることができる。

 すべて容易には解決しづらい問題点ではあるが、実はこれらの問題点は、放置しておいても大丈夫なのかもしれない。
 なぜなら準備期間・レース期間・撤収期間を含めてもわずか1ヶ月の間の出来事である。このわずかな期間のために宿泊施設を建設する、新たな移動手段を作成することはマイナスにしかならないだろう。
 ただその場合、『三宅島ツーリストトロフィー』という大きな名前でありながら、かなりひっそりとしたイベントになってしまうと思われる。


移動手段の対策

 三宅島までの移動手段としては、現在はいくつかの方法を採ることができる。
 そのひとつが、毎日運航している東京(竹芝桟橋)〜三宅島(三池港・阿古港)間の定期船を利用することで、この方法がもっとも現実的な方法だ。
 ほかの手段としては島間ヘリを利用する方法ということになるが、これは費用と利便性、輸送人員数を考えると、あまり解決手段には向いていない。

三宅島空港

 対策のひとつとしては、現在閉鎖されている「三宅島空港」を再開するのが、もっとも効果的、かつ簡単な解決方法だと思われる。
 三宅島空港が現在閉鎖されている理由としては、三宅島の火山活動がいまだ予断を許さない状況にあるため、安全な運航が確保できないという点。そして、火山性ガスの影響により、三宅島空港が位置する坪田(三池)地区が高濃度地区に指定されている点があるだろう。
 このため、飛行機による三宅島までの航空路は現在も閉鎖中となっているわけだが、この航路を一刻も早く復旧させることが、移動手段に関する問題を解決することになるのではないだろうか。

 ちなみに、三宅島観光協会のサイトでは、航空路再開に向けた署名運動を展開している。
 航空路の再開は、バイクレースのみならず、三宅島経済にとっても大きなプラスになるので、この運動に協力してみてはいかがだろうか。
三宅島観光協会
http://www.miyakejima.gr.jp/


移動・宿泊・食事の問題の一挙解決

 実は、先に挙げた3つの問題点を一挙に解決する方法がある。しかも、ホテルやレストランなど恒久的な施設を建設する必要もないので、建設費や用地、自然保護や維持費用といった部分も問題にしなくてもいい方法だ。

 その方法だが、「船をレンタルしてしまう」という方法を提案したい。

かめりあ丸船内

 たとえば客船、それも車両の運搬が可能なフェリーなどをレンタルし、関係者はもちろん、レースにエントリーしている人々や観客も、すべてその船で運んでしまうのである。
 現在東京〜三宅島間を往復している「かめりあ号」と同じ、2000人程度の乗客が乗れるとしたら、三宅島に現在ある宿泊施設とあわせて3000人の宿泊施設を準備することが可能だ。
 また、2隻レンタルしておき、1隻をオフィシャルなどの関係者、およびエントラント用としておいて、もう1隻を観客用とした場合、さらに多くの観客を呼び寄せることができるだろう。

 なんとも非現実的な方法ではあるが、この方法を採った場合のメリットは数限りない。

 まず、恒久的な施設を必要としないこと。
 何度も繰り返すが、わずか1ヶ月程度のレース期間のために、数千人が宿泊できる施設を建設することは、まったくプラスにならない。それどころか、現在三宅島にある宿泊施設の経営を圧迫したり、自然を破壊することになったり、さらには維持費用の面でもマイナスになるのは明らかだ。

 続いて、食事に関する問題点も解決することができる点。
 2000人収容できる船舶であれば、その2000人の胃袋を満たすだけの食事設備が整っているのは確かである。もちろん、2000人が同時に利用することはできないが、「船に戻れば何かが食べられる」という状況は問題の解決にならないだろうか。

かめりあ丸

 さらに、万が一の場合にも対応できる点。
 現在就航しているかめりあ丸や、仮に三宅島航空路が再開したとして、それらをフルに利用して観客やオフィシャルをピストン輸送したとしよう。しかし、来島者数がピークに達したそのとき、もしも雄山が活発な活動を再開したらどうなるか。混乱がおきるのは必至で、主催者や東京都は、早急に来島者を安全に帰宅させる手段を確保しなくてはならない。しかしレンタル船があれば、行きに利用した船に戻るだけなので、混乱は最小限で済むのではないだろうか。

 最後に、エントラントのバイク輸送にも使えるという点がある。
 レースにエントリーした人間としては、やはりバイクと共に行動したいと考えるだろう。フェリーなどであれば、トランポとともに移動することが可能であるだろうし、さらに工具やスペアパーツなども一緒に移動することができる。また、定期連絡船の貨物を圧迫することなく、レースに必要な資材も輸送が可能となるのも、良い点ではないだろうか。


が、しかし……?

 船をレンタルしてしまう、という提案をしてみたが、この提案がどれだけ荒唐無稽なことなのか、ということは筆者自身が重々承知している。

 たとえば、船をレンタルしたとして、その費用をどうするのか。また、船舶にはその排水量によって停泊可能な港と不可能な港が存在し、三宅島に停泊が可能なのか。さらにトランポなどを搭載した場合、フェリーとなるのは当然だが、外洋航海が可能で人員もそれなりに収容できるフェリーがそもそも存在するのか。もっと言ってしまえば、「船をレンタルすことが可能なのか」という様々な問題点をはらんでいる。

 数日かけて、これらの点についての調査を行ってみたが、明確な情報を得ることができないままだ。
 そんな状態での提案なぞ、無責任に等しいものであると理解しているが、この荒唐無稽な提案から、よりよい方法が見つかっていくことになればいいと願うばかりである。


次回予告

 今回の提案は、なんとも可笑しな物になってしまった。おそらく、より良いアイデアが見つかるはずなので、さらに考えて、もっと現実味のあるものを提案していきたい。
 さて次回は、レースを開催する際のもうひとつの問題点。レースそのものの問題についての対応案を述べていこうと思う。

予測される問題点についての対応案(3)