第9回:まとめ

 前回の更新からカナーリ時間が経ってしまいましたが、これまでお伝えしてきた『三宅島ツーリストトロフィー非公式レポート』をまとめてみたいと思います。
 正直に言えば、さっぱりまとめきれていません。まとめきれていませんが、これをきっかけとして、三宅島でレースを開催するということを、少しでも考えてくれれば幸いと思います。

 あと、最後まで繰り返すようでしつこいんですけどね、掲載されている内容はあくまでも「主観による」ものであって、人によっては受け取り方や考え方などが異なる場合があると思います。
 もしも、違和感を感じるようでしたら、掲載されている内容をすべて真実として捉えず、ご自身で情報収集されるなりしたほうがよいと思われます。
 また、ここに書いてあることがすべて正しいと主張するわけではありません。その点をあらかじめご了承の上、ご覧いただければ幸いです。

守るべきものは三宅島の自然と誇り

三宅島風景

 三宅島の自然は、それはもう雄大で、心を洗うように綺麗なものでした。なぜ、自分はこの年齢になるまで、三宅島を訪れなかったのかと考えたほど、素晴らしいものです。
 そんな自然を眺めながら、バイクのレースを楽しむなんていうのは、この上ない幸せでしょう。

 そんな三宅島でレースが開催されることとなれば、大勢の人たちが三宅島を訪れて、レースに参加したり、観戦したり、または島内を観光することと思います。

 ですが、レースが終わったあとに、三宅島に残されたのが来島者たちによるゴミの山だった、ということになれば、自然を破壊することになります。それはもちろん、三宅島でバイクのレースを開催したのが原因ということになり、ひいてはバイク乗りはマナーが悪いなんて言われることにもなりかねません。
 そんなことになれば、第2回を開催することはできなくなりますし、さらにバイクが悪者にされてしまうこと請け合いです。

 そして現在三宅島は、噴火活動により一部区域への立ち入りが制限されていたり、空港が使えないなど、さまざまな不便を強いられています。
 ですが、これは今に始まったわけではなくて、過去にも同じような噴火活動があり、また、三宅島に住む人たちはそれを乗り越えてきたわけです。

溶岩に埋まった学校

 たとえば、昭和58年10月にも三宅島では大きな火山活動がありました。
 その火山活動で流出した大量の溶岩が集落を襲い、約400戸の家屋が溶岩の下に消えてなくなるという災害もあったのです。
 ですが、その集落に住んでいた1300人あまりの住民たちは、ひとりの命も損なうことなく無事に避難したのです。

 そして平成12年6月に起きた噴火においても、同年9月には全島避難命令が発令されて、島民は三宅島から離れることを余儀なくされましたが、それでも誰一人として命を落とさず、全員が無事に避難を完了したのです。

阿古集落跡看板

 大規模な自然災害にも関わらず、ひとりの人命を失うことなく、全員が避難したというのはスゴイことだと思います。
 そんなスゴイことを成し遂げた島で、バイクレースで死者が出たらちょっと寂しくないですか?
 そんなことをしたら、三宅島の人たちが大事にしてきた「人の命」というものを、三宅島に住んでいない人たちの手によって、軽んずることになるのではないでしょうか。


 ここで声を上げて言いたいのは「守るべきものは三宅島の自然と誇り」ということです。
 三宅島でバイクのレースを開催するからといって、バイクが主役じゃないんですよ。むしろ、雄大な自然と人命を守ってきた三宅島の人たちが主役なのではないか、と考える次第です。


三宅島の人に聞いた話

三宅島庁舎前

 私は「三宅島でレースが開催されるかも知れない」という話を聞いて、実際に三宅島を訪れました。
 そのとき、微妙に不安に思っていたのが、実は三宅島の人たちはレースに対して否定的なのではないか? ということです。
 そこで、三宅島を訪れたときには、意識して三宅島に住む人たちの話を聞くようにしました。
 結局、直接話を聞いたのは全員合わせても10人程度とちょっと少ないのですが、なんと驚いたことに誰もが三宅島でバイクレースを開催するかもしれないという計画の存在自体を知っていて、なおかつ否定的な意見は聞くことがありませんでした。

 その中でも特に印象に残っているのが、
「噴火とか火山ガスとか、そういう暗い話題ばっかりテレビで流されるから、バイクのレースでもなんでもやって、明るい話題を振りまけるようになりたいね」
 という話と、
「普通に観光してくれる人が増えてくれるのが一番嬉しいんです。三宅島は決して危険な島ではないんです」
 というふたつの話です。

 これらの話を聞いて思ったのが、三宅島でレースが開催されることによって、多くの人たちが注目するだろいうということ。そしてまた同時に、三宅島に注目を集める手段は、必ずしもバイクのレースである必要はないということです。

 三宅島で公道レースを開催するというのが、一度っきりのイベントなのか、毎年開催していくイベントなのか現時点ではさっぱりわかりませんが、いずれにせよ、「なぜ三宅島でバイクの公道レースを開催するのか」という理由をもう少しハッキリさせないと、ただ開催しただけで終わってしまい、バイクに乗る人たちにとっても、三宅島に住む人たちにとっても、何も大きなものが残らない、ただのイベントで終わってしまうのではないでしょうか…。


まとめ……まぁ、いいんじゃない?

坪田林道

 三宅島で公道レースが開催されるかもしれない、という話を聞いたとき、個人的に「面白そうじゃん! ぜひやって欲しい!! むしろボランティアでもなんでも手伝うよ!?」というくらいの勢いでした。
 ですが、2006年8月に三宅島を訪れてから、その勢いは一気に消えうせました。

 私はバイクという乗り物が大好きですが、三宅島も大好きです。だから、三宅島で公道レースを開催するという話を聞いたときは、もろ手を挙げて大賛成だったんです。
 だけど実際に三宅島を訪れて色々見たり、考えたりしているうちに、一歩間違えば三宅島の自然を損なうことにもなりかねず、同時にバイクが悪者扱いされることにもなりかねない、ということに気がついたとき、ただの大賛成ではダメなんだという考えに至ったわけです。

 そしてなによりも、三宅島で公道レースを開催することの目的が、三宅島復興の一助を目指しているのであれば、ただレースを開催しただけでは一助となりえないということが分かりました。

 そして今現在の気持ちとしては「三宅島で公道レース……まぁ、いいんじゃない?」という感じです。

 これは決して投げやりな気持ちから出た意見ではなく、主催者側でもないただの一般人として巡らせた、精一杯の賛意の証です。
 きっと主催する人たちは、懸命に三宅島の自然を考え、安全に配慮し、さらに復興の一助となる方策を練っていることでしょう。
 そういった主催する人たちに反対する意思はまったくないけど、私自身にも考えはあるし、想いもある。ということから結論付けたものです。

 もし、仮にボランティアとしてでも、スタッフとして主催する側に関わることができたなら、そのときはそのときなりに精一杯、三宅島とバイクのことを考えることでしょう。


すすめ!三宅島!!

すすめ!三宅島!!

 三宅島の自然を損なわないためにはどうしたらいいのか? バイクが悪者扱いされないようにするためにはどうしたらいいのか? そして三宅島復興の一助となるためにはどうしたらいいのか? そんなことを考えながら第1回から今回まで、『三宅島ツーリストトロフィー非公式調査レポート』を書いてきました。
 だからといって自分が書いてきたことの正当性などを主張するつもりはありませんし、もっと素晴らしい意見をお持ちの方はいっぱいいると思います。

 それでも、自分がここまで書き連ねてきたレポートが、実際に三宅島レースを主催する人たちにとって、何かの参考になってくれればいいなぁ、なんて思ってみたり。

 最後に、三宅島の中で撮った写真を掲載させていただきます。

三池

 写真を見て、何を思うかは人それぞれだと思いますが、私はこれを見たとき「三宅島復興のために公道レースを開催しよう!」と言うことが、どれだけ無責任な言葉であるか、ということを考えました。
 ただ開催するだけでは誰も幸せにならないんですよ。開催をきっかけとして、三宅島の現状がガラリと大きく変化することを考えないと、ダメなんですよ…。


ご意見・ご感想をお聞かせください

 なぁ〜んかサッパリまとまってないですが、もしよろしければご意見、ご感想をお聞かせください。
 批判でも結構ですし、貴重なご意見もぜひ拝見できれば幸いです。
 いまのところ、次回の更新予定はないですが、こういった話は続けていくことと、多くの人たちからの意見をもらうことが大事だと思いますので…。

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